2009年2月5日木曜日

走れ、勉三くん!

「お〜寒い。」

なんでこんな日に、マラソン大会なんだ。

僕は、教室でお授業を受けていた方がずっと将来のためになる!

しかも、こんな体力勝負な野蛮で庶民的なスポーツは

僕は絶対に、認めないぞ!

「よーし!始めるぞー、みんな並べー!」

体育の筋太郎先生が、一番張り切っている。

「位置に着いて!

 よーい!

 パッーン!」

乾いた音と共に、一斉に走り始めた。

「イタッ!イタタタタッ!痛い!」

後ろから、みんなに押されてこけてしまった。

「もーう、ひどいよー。」

僕は、とりあえず走り始めた。

出だしからの転倒で、順位は最下位だった。

「はあ、はあ、もうだめだ。」

まだ、始って1分も経っていない。

「あー休みたい、疲れたー。」

そんな時、スレンダーな後ろ姿が目に飛び込んで来た!

「あっ、浜田 香苗ちゃんだぁ!」

最終集団に紛れて走っていた彼女を僕は見つけてしまった。

これぞ、運命!

途端に、勉三の走る速度は増していった。

そしてあっという間に、最終集団に追いついてしまった。

そして、彼女と並んで走った。

「ねえ、このままコースアウトして

 僕らピットインしようよー。

 二人だけの孤島、

 ゴー トゥ ザ ベンゾー アイランド!」

今日も決まった!

今は別々に走っているけど、

これでこれからは彼女との、二人三脚の人生が始るぞ!

「ねー、勉三くん。

 前の集団に、水内さんがいるよ。」

!?

本当だ!

そう!水内 美樹ちゃんこそが僕の探し求めていた

マイ スイート ハニーなのだ!

「マイ ミッキーー!」

最終集団を抜け、

たちまち彼はその前の集団に追いついた。

「ヘイ!ミッキー!

 僕と美樹ちゃんの二人の未来について

 この後、ゆっくり話し合わない?

 子供が何人、欲しいだとか

 美樹ちゃんの親に挨拶もまだしてないし。

 そのところを、踏まえてさー!」

彼女は、走りながらチラッと僕の方を見た。

うーん、素敵な流し目☆

もう僕は彼女の虜ロール!

「ダメなの。」

「えっ!」

「私の親、瓶底眼鏡が苦手なの。

 だから絶対にだめ!」

二人の間には、親という名の障害があった。

まるで二人は、ロミオとジュリエット!

禁断の恋だからこそ、燃え上がってしまう恋の炎。

「あとついでに言っておくけど、

 私があなたを生理的に受けつけないの!

 だから、あっちいって!」

彼女はわざと僕に冷たくして

結ばれる事が困難な二人の運命を呪っている。

なんて優しい心を持った女性なんだ!

僕は、乗り越えてみせる!

彼女と二人ならば。

どんな高い壁だって!

「!?」

「あっ、彩花ちゃんだぁ!」

先頭集団を走るのは、佐藤 彩花ちゃん!

僕の心を惑わす、いけない小悪魔ちゃん!

僕が、そんな彼女の小悪魔ちゃんを、粛正してやるー!

「僕のエンジェルーー!!!」

トップスピードにのった、勉三は

次々と、ごぼう抜きを見せて

ついには先頭集団に追いついてしまった。

「あーやかちゃん!

 旅行行くなら、海外がいい?国内がいい?

 それとも僕が好き?」

彼女は僕の方を見ようとせず、真剣に走っていた。

彩花ちゃんは、やりはじめたら止まらないタイプの女の子だな。

彩花ちゃんが僕と付き合ったら、夢中になりすぎて

すぐ僕に嫉妬しちゃいそうだなー。

うかつにクラスの友達の女子と話してるとこをみられたら

すぐにふくれちゃう。

でも、そんなソー キュートな所もまるごと

僕の愛で包みこんでやるのだ!

「君と僕の人生のプロローグは

 今日から?明日から?」

すると彼女はこっちを見てこう言った。

「もうすぐゴールなんだから、邪魔しないで!

 変態!」

もうすぐゴール?

この過酷で僕の大嫌いなマラソン大会も

終わりに近づいている!

ラッキー☆

ふとゴールの方に目をやると

ゴール地点でテープを持っているのは

理科の美咲先生ではないか!?

彼女こそ、歳の差を超越した

真実の愛。

つまりトゥルー ラブ!

もうよそ見はしません、先生!

これからはあなただけを、しっかり見続けます!

「美咲せんせーい!」

勉三は、一気にラストスパーとをし、

ゴールへと向かっていった。

「マイ スイート エンジェール!」

美咲先生に、近づこうとした瞬間

!?

美咲先生の張り手が、勉三の頬にメガヒット!

それと同時に勉三は、ゴールした。

そしてゴールした、勉三に

順位の自分の書いた紙が渡された。

「もーう、痛かったなー。

 先生はちょっと暴力的だけど

 二人でいる時はけっこう甘えんぼさんタイプなんだろうなー。」

さっき手渡された紙を見ると、2位と書かれていた。

僕は、勉強ではいつも1位なのに!

誰だ、1位の奴は!

ふと向こうに目をやると

人だかりができていた。

しかも女の子ばかりだった。

少し近づいて、見てみると

隣のクラスの相沢という男のまわりを

女子が取り囲んで、黄色い声を上げている。

「相沢先輩、1位なんてすごーい。

 私、また一段と好きになっちゃいました!」

「本当にかっこよかったです。

 相沢先輩!」

あいつが1位か。

成績では、あいつはいつも2番のくせしてー!

それに僕のエンジェルちゃんたちを独り占めしやがってー。

よーし、相沢 まこと。

おまえの名前、しかと覚えておいてやる!



新たなライバル出現に、

どうする!?

勉三!







2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

HAPPY BIRTHDAY!!

tofuさん、おめでとうございます♪♪

tomo さんのコメント...

天使のババロアさん!

誕生日コメント、ありがとうね!

おれが誕生日ブログをアップさせる前に

コメントくれるなんて、感無量です!

とうとう私30歳になってしまいました。

なんともアンビリーバボーな感じです!

こんなおじさん達を

これからも温かい目で見てやってねっ!

あと最近、短編小説ばっかで

ごめんねー。

毎日、文字の嵐でモジモジくんです、私。