あいつがこれから行く先を!
あいつは、嫌になったんだ!
毎日毎日、焼かれて。
おれは先回りして海へと向かった。
そう、あいつは必ず海へ来る!
そして、あいつはやってきた。
海の底を気持ちよさそうに泳いでいる。
時々、サメにいじめられてもあいつは
心底、楽しそうだった。
そんなあいつを見守っていたおれは
やらかしてしまった。
エビに喰いついたおれは
はりにかかってしまった。
見知らぬおじさんに釣り上げられたおれは
おじさんに食われてしまった。
でもひとつ気付いた事があった。
あいつじゃなかったんだ。
おれだったんだ。
およげ、たいやきくんは。