2010年3月3日水曜日

注文。

「すみませーん。」

「あいよ!何に致しましょう?」

「ざるそばを1つ。」

「えー、ざるそばを 1つね!」

「あっ、どうしましょう。そばの量は少なめです?多めです?」

「いや、普通でいいです。」

「普通って言うとあれかな?

 こんもりした感じだけど

 そこまでこんもりしてないみたいな感じかな?」

「まあ、そこそここんもりでいいです。」

「えーじゃあ、海苔はどうしましょう?

 ふわっとかけます?

 ぱらぱらってかけます?」

「ぱらぱらでいいです。」

「えー海苔は、ぱらぱらで。

 あっ、つゆはどうしましょう?

 けっこうじゃぼじゃぼいっちゃう方です?

 それともちょろちょろって感じでいきます?」

「えっと、とりあえず

 普通でいいんで!普通で!」

「はい!えー、じゃぼじゃぼマイナス3㎝の量で。」

「ざるをのせるお盆なんですけど

 黒、赤、ピンクの3色の用意があるんですけど

 何色にしときます?」

「だから!

 普通でいいよ!

 普通で!」


「はい!普通ね!

 という事は、お盆はピンク。

 ショッキングの方のピンクっと!

 あっ!大事な事、聞き忘れる所だった。

 そば湯なんですけど

 お湯は、そばを茹でたお湯か

 うどんを茹でたお湯か

 今ならお選びできますけど

 どうします?」

「もー、いい加減にしてよ!

 そば湯って言うくらいだから

 そばを茹でたお湯に決まってるでしょ!

 とにかく普通にざるそばを持って来てよ!」

「はい、わかりました。

 えー、そばとうどんを茹でたお湯の

 ハーフ&ハーフでとっ。

 お客さん、なかなかの通ですねー。

 じゃあ、少々お待ちを!」




























「なんなんだ。この店は。」





































「あいよっ!

 天丼、お待ちー!」









「おー、美味しそうな天丼だなーって

 ざるそばだろっ!ざるそばっ!

 さっき注文の時に

 天丼のての字もでてないだろっ!

 早く、ざるそばを持って来いよ!」


「あいよー!

 ざるそばを、1つ追加ねー!」



「おい!追加じゃない!

 初めに注文したものを持って来いって!


「あーすみません。


 ざるそばを1つね。

 あっ、どうしましょう。そばの量は少なめです?多めです?」

















「帰ります。」

















この店には2度と

足を運ぶ事はないだろう。





















 

 

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