2009年3月16日月曜日

赤い地球。

ドーーーン!

地球に巨大な火の玉がひとつ、空から降って来た。

山の木々はなぎ倒され、その中央に大きな

クレーター状の穴が、空いている。

隕石にも見えるその大きな物体を包んでいた

炎は静まり、不気味に上がる煙と

異様な静けさが、この先に起こる凄まじい恐怖の

始まりだとは、誰もまだ知らなかった。

プシュー!

その音と同時に丸い物体の扉が開いた。

「ここが、地球か。」

銀色に光った体、そして何よりもその細い目の奥には冷酷さと純粋悪の炎をメラメラとさせていた。

「あー疲れちゃった。」

扉の向こうから、2枚の羽を羽ばたかせて妖精のような出で立ちの

小さな女の子が出て来た。

「堕天使 カトリーヌか。

 おまえもついて来ておったのか。」

「はーい。だって退屈だったから

 ミートバーグ様の地球征服を拝見して

 私も一緒に楽しみたかったんですもの。」

カトリーヌは、ミートバーグの周りを飛びながら言った。

「まー良いだろう。

 それでは、3日間。

 そう、たった3日間でこの地球を征服してやろう。」

その冷酷な目は、更にそれを増していた。

「ミートバーグ様、かっこいー!」

「しかし、この姿ではちょっと目立ち過ぎてしまうな。」

すると、林の向こうから声が聞こえてきた。

「せんぱーい!こっち!」


「なんかこの辺、少し焦げ臭くないか?」

山登りを楽しんでいた、

東都大学の山岳部の二人が、ミートバーグとの

距離を確実に、縮めていた。

「あれは絶対に、隕石ですよ!

 あんなすごい音だったから

 相当でかいんじゃないかな?」

谷口は、汗を拭いながら言った。

「おれたち、今世紀最大の発見でもしちゃうんじゃないか?」

二人のテンションは上がっていた。

「テレビに出まくって、一気に有名人になちゃうかもしれないですね!」


「人間か、丁度いい。」

ミートバーグは、ゆっくりと宙に上がっていった。

「ミートバーグ様、どうなさるおつもりですかー?」

カトリーヌも一緒に、空へと上がっていった。

「まー観ておれ。」




「先輩!ありました!

 この大きな穴の中に、隕石が!?

 って宇宙船!?」

浜中は、目を大きく見開き

今ここで起きている事態が把握できていない様子だった。

「まじかよ!

 これはなんかやばいぜ。」


「ハッ、ハッ、ハッ。」


!?

「なんだ、今の声は!?」

谷口は、周りをキョロキョロして

声の主を捜していた。

「先輩、なんか絶対やばそうですよ!

 この感じ!」

浜中は、後ずさりをしながら谷口に言った。


「馬鹿な、人間共!

 我の名は、大魔王ミートバーグ!

 この地球を征服するために

 遥か一光年かなたの、ダークキル星からやって来たのだ!」

「浜中、上だ!?」

二人の頭上には、この世のものではない生命体が

腕を組み、空を浮かんでいる。

「先輩!?何なんですか、あれは!?

 もう逃げましょうよ!」

谷口は、大きな声で合図を送った。

「よし、逃げろ!」

二人は一斉に駆け出した。

二人は走りながら、リョックを捨てていった。


「逃がさんぞ!」

ミートバーグの手が大きな光に包まれると

その光は勢いよく、逃げる二人の方向へと飛んでいった。

「うあー!」

二人は、大きな光に包まれた。

「ハアッ!」

ミートバーグの声と同時に、大きな光と二人の青年は跡形もなく消えていった。

すると、ミートバーグの体が大きな光に包まれその光も一瞬ではじけ飛んだ。

「ミートバーグ様!?」

カトリーヌは、驚きのあまり次の言葉が出てこなかった。

そう、ミートバーグの体は徐々に谷口という人間の姿へと変えていったのだ。

「奴らのひとりの姿を、借りたのだよ。

 そう驚くでない。」

ミートバーグはゆっくりと、地面へと下りていった。

「なんだぁ、ちょとびっくりしてしまいましたわ。」

「この姿なら、目立つ事もない。

 よし、まずは大きな都市に向かうぞ。」

人間の姿を手に入れた、ミートバーグだが

その目の奥の純粋悪の炎は、その姿を変えども勢いよく燃えていた。

「さっきの二人は、どうなっちゃったんですか?」

カトリーヌは嬉しそうな表情を浮かべながら言った。

「あの二人は、今頃・・・。

 フッ、フッ、フッ、まー良いではないか。」

不吉な笑みを浮かべながら、ミートバーグは言った。

「もう、教えてくれてもいいのに!」



これから地球は、破滅の道を辿ってしまうのだろうか。

乞うご期待。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

この後ゴクウと戦うわけですね!
さすがベジータさんとナッパさんだぜ!

tomo さんのコメント...

こら、こら。

君はまた、何か勘違いしちゃっているね。

いつもの事だから、驚きはしませんが

一応、言っておきます。

DBじゃないですから。

全く違うお話です。

いつも、早まってコメントくれるみたいだけど

コメント前に一度、深呼吸して

気を鎮めてから、コメントするようにして下さい。

ちなみに、最終話は

金色の戦士が登場し、

フュージョンなんかしちゃって

魔人を倒す予定です。

その後は、続編として

赤い地球GTというタイトルで

執筆を予定しております。